Strictly Speaking by Haruki Murakami

ちょうど一ヶ月前、夫婦揃って、
U.C. Berkeleyで行われた村上春樹氏の講演に行ってきました。
(HPはこちら → “Strictly Speaking”)

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(写真はHPより。)

講演は、3部構成。
最初に、村上春樹氏が登場し、
「とんがり焼きの盛衰」の背景を英語で説明し、日本語で朗読。
その後、non-Japanese speaker のために、”Japanamerica”の著者であるRoland Kelts氏が同じ小説(英訳は”The Rise and Fall of Sharpie Cakes”)を英語で朗読。
次に、お2人が、この小説のこと、村上氏の小説に対する考え方等などについて対談をし、
最後に、会場からの質問を村上氏が答えるという形ですすんでいきました。

小説の朗読以外は英語で行われたのですが、
村上氏の英語、決して上手ではないということもあり(失礼)、私にはわかりやすくて、
また、内容が興味深くて、2時間、本当に楽しめました。

会場には、日本人もちらほら見かけましたが、大半がNon-Japanese。
意外だったのは、結構年配の方も見えていたこと。
私達同年代か、もしくはもっと若い人達ばかりかと思っていました。

彼がシャイだからか、英語での説明に限界があるのか、
突っ込んだところまで話が及ぶということは多くなかったですが、
ジョークやユーモアを交えての話に、笑いが絶えず、
私などは、村上氏の声を聞くのも、動いてるところをみるのも初めてなので
それだけで、おおっ!と思い、
エッセイの(文章の)リズムと同じ話し方だ~と嬉しくなり(笑)

一緒に行った、大の村上春樹ファンの友人(イタリア人)は、
質疑応答で、彼の質問が採用されたので、すっごく嬉しそうにしてました。

そうそう、この講演の際、ちょうど新しい長編小説を書き終えたところ、と話していたので、
来年には、村上春樹氏の最新作が読めそうですよ。
楽しみです。





Read More…はさらに、講演のこと。

この講演で、いくつか印象に残ったことを挙げると、
まず、小説とマラソンの関係について。
彼は大体9時から10時に就寝、朝の4時か5時に起床で、仕事を始めるそうなのですが、
それはこんなイメージなんだそうです。

 "階段を下りていって、ドアを開け、暗い部屋に入る。
  僕は、その暗い部屋の中で何かを見る。
  それを観察し、記憶し、そして、ドアを閉める。
  階段を登り、パソコンに向かい、書き始める。
  その部屋はとても、とても暗い。

  一方で、マラソンはいつも太陽の下で行われる。とても明るい。

  それはバランスの問題なんだ。

  僕は、暗い場所へ行き、また帰ってくるために、タフでなくてはならない。
  強くて、そして、自信を持っている必要がある。"


たどたどしい訳で申し訳ないですが、なんとなく、伝わりますでしょうか。
この話は、私には、個人の中で行われている作業として、とても興味深く思いましたし、
うがった見方かもしれませんが、
小説の中の表現やエピソードと重なる部分があって、そういう意味でも面白いと思いました。

それから、小説を書く前に、アウトラインを書かない、ということ。
彼の小説は、あんなに長くて、込み入ってるのに!
これはすごくびっくりしました。
アウトラインを書かなくても、最終的にうまくまとまるんだそうです。
ただ、唯一「うずまき鳥クロニクル」だけは、最後になってもどうしてもまとまらず、
最終的にエピソードを二つに分け、分けたうちの一方が「国境の南、太陽の西」となったとか。
この2冊がねえ、というのも、やっぱりびっくりです。

その他、翻訳について、メタファーについて、
小説の登場人物の表し方の変化についてなどなど。
どれも面白かったし、もっともっと、聞きたかったなあ。

ちなみに、この講演の後、すっかり”村上モード”になった私達。
しばらくは、時間があると彼の小説を黙々と読む、という日々が続いたのでした。
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by SammyFelix2006 | 2008-11-11 17:39 | Daily Life
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